車両安全性

車両安全性

交通安全性を向上させるため、世界各国で次々に法律が制定され、消費者規格が厳格化していることから、車両に求められる要件も急増し、複雑化しています。新しい世代の車両には、より新しく、より厳しい法令や安全基準等が導入されます。CDHは、これらの新しい安全基準を確実に満たすため、最初の試作車のテスト前の、バーチャル開発の初期段階から作業に携わります。


衝突シミュレーション

法令や消費者規格は、あらゆる車両衝突事故において、乗員に十分な生存空間を確保するよう求めています。その結果、様々な衝突の荷重ケースが発生します。

前面衝突

      • FMVSS208、ECE R94の前面衝突安全性能基準に準拠
      • IIHSのスモールオーバーラップ衝突評価、EuroNCAPの側面衝突評価基準に準拠

側面衝突

      • FMVSS214、ECE R95の側面衝突安全基準に準拠
      • IIHSの側面衝突評価、EuroNCAPのポール側突評価基準に準拠

後面衝突

      • FMVSS301の後面衝突安全基準に準拠
      • EuroNCAPの後面衝突評価基準に準拠

ロールオーバー

      • ルーフ衝突などの安全基準に準拠

 

 

駐車の際のバンパー接触など、低速衝突の荷重ケースの解析も行っています。これらの解析により、小さな衝撃に対する車両構造の耐性を確かにし、車両の修理コストを最小限に抑えることができます。CDHは、衝突シミュレーションツールを使って、寸法や特性を含む車両部品の最良の構造レイアウトや性質を導き出すことができます。複数の車両機能の要件に対応するためには、以下に挙げる様々な設計段階において複合領域最適化ツールの使用が必要となります。:

  • コンセプトモデルの抽象化
  • トポロジー最適化
  • ボディパネル厚み最適化
  • ロバスト性と信頼性の計算

乗員保護

構造設計では、乗員の安全性を確保するために、衝突時に乗員と接触する可能性のあるすべてのコンポーネントの設計を重要視します。エアバッグやシートベルトのような乗員拘束装置の性能が重要なのはもちろんですが、シートやダッシュボード等のコンポーネントも乗員の怪我のリスクを低減するように設計されています。

最新のエアバックセンサーは衝突の深刻度を瞬時に認識することができ、乗員の身体的特性と座席の位置を考慮した最適な状態でエアバックを作動させます。エアバックを制御するパラメータは、衝突シミュレーションの計算に含めることができます。パラメータスタディを実行して、ガス発生器やシートベルトフォースリミッターなどの最適な特性を導くことが可能です。エアバッグシステムの設計では、乗員のアウトオブポジションの状況をシミュレートする必要があります。ガス発生器の燃焼挙動とエアバッグ展開に関する数式モデルを利用することで、乗員拘束装置動作について信頼性の高い予測が可能です。

前面衝突

  • FMVSS208、5%ile HIII Dummyなどの法定要件や消費者組織規格に準拠

側面衝突

  • IIHS SiD IIsなどの法定要件や消費者組織規格に準拠

後面衝突

  • EuroNCAPなどの法定要件や消費者組織規格に準拠

 

複数の設計パラメータおよび荷重ケースの要件があるため、自動最適化ツールの使用は必須です。案件の解析領域に応じて以下の方法を使用します。:

  • 実験計画法(DoE)
  • 勾配法に基づく最適化アルゴリズム
  • 進化的最適化アルゴリズム
  • 確率的最適化アルゴリズム

人体モデル

これまで、パッシブセーフティ(衝突時安全性)の検討の際には、衝突試験用ダミー(擬人化試験装置)が主に利用されてきました。しかし、衝突試験ダミーが持つ構造的な制限を克服するため、今後は人体モデルが使用されるようになります。人体モデルの利用は、乗員保護システムの開発において、人体の多様性を考慮することを目的としており、次の要素を考慮することができます。 :

  • 身長と体重
  • 性別
  • 年齢
  • 快適なシートポジション

歩行者保護

乗員保護の要件に加えて、車と接触した歩行者の負傷を減らすための車両設計基準がますます重要になってきています。

スタイリング、生存空間確保、安全性等の相反する要件には、高度な解析ツールの使用により対処することができます。新しい素材の使用や、安全装置のアクティブ/パッシブの選択により成し得るソリューションを、シミュレーションにより、設計の初期段階において検証することができます。

CDHでは解析サービスの他、解析のための材料やコリレーションデータを提供するために必要なテスト業務の取りまとめにおいても、長い経験があります。このサービスは、テストリグのプランニングと、テスト結果とシミュレーション結果の比較を含みます。プロジェクトの管理や調整を自ら行うことで、解析結果と試験作業の結果を確実に車両設計に反映させることができます。歩行者保護においては、重要な役割を果たすセンサーシグナルのシミュレーションと評価も行うことができます。対処する荷重ケースは以下のとおりです。:

  • 頭部衝撃
  • 臀部衝撃
  • 足部衝撃

上記のそれぞれのケースについて、欧州および日本の法定要件や、EuroNCAPやJapanNCAP等の消費者組織の要件を満たす必要があります。

ニュース

2025年03月11日 CDH/VAO

CDH/VAO v2025.1リリース

2025年03月03日 ATD-TH50 C-NCAP

ATD-TH50 C-NCAPテストバージョンリリース

2025年01月28日 CDH/AutoSPOT

CDH/AutoSPOT v1.3.1リリース

2025年01月22日 Animator

Animator4 v2.7.2リリース

2024年12月10日 年末年始休業のお知らせ

2024年12月30日より2024年1月3日まで休業