自動車業界において、衝突シミュレーションを行うCAEアプリケーションは多く使用されています。エンジニアは車両安全性を高めるために、日々、多くの衝突シミュレーションを実行します。シミュレーションを繰り返し行うため、膨大な量のシミュレーションデータが生成されます。これらの衝突シミュレーション結果の圧縮を行うFEMZIP-Pは、一般的なクラッシュコード用に特別に設計されたデータ圧縮ソリューションを提供します。FEMZIP-PはESI PAM-CRASHの解析結果ファイルを圧縮することが可能です。

PAM-CRASH出力ファイル(DSY)のテスト結果：節点数1031990のVolkswagen 車両モデルでのシミュレーション

FEMZIP-Pは標準サイズの衝突結果ファイルなら、約１/10のサイズに圧縮することができます。衝突結果ファイルサイズを大幅に縮小することで、必要なストレージが減り、データの転送時間が短縮され、高速な読み込みが可能になります。FEMZIP-Pの圧縮データフォーマットをサポートする様々なポストプロセッシングツールで、この大きな導入効果を得ることができます。FEMZIP-P圧縮ファイルのユーザエクスペリエンス向上のため、CDHはポストプロセッサ開発者とともに解凍技術の統合を進めました。現在では多くのポストプロセッサがFEMZIP-Pのフォーマットをサポートしており、圧縮ファイルの処理がかつてない程に容易になりました。

サポートするポストプロセッサ:

　・GNS Animator
　・ESI Visual Environment
　・LS-Prepost
　・Altair Hyperview / Hypergraph
　・Beta μETA
　・Oasys D3PLOT

NVH解析では、しばしば多数のモードを持つシミュレーション結果データを計算します。大抵の場合、一度のシミュレーションで生成される結果データのサイズは数GBあります。異なるサイトにいるエンジニアの共同作業において、通信ネットワークを介した大容量のデータのやり取りが必要な場合、データ転送速度の遅さがワークフローの妨げとなることがあります。しかし、FEMZIP-Nを使用することで、データの転送時間を大幅に短縮することができます。FEMZIP-Nで圧縮したNVH解析結果は数分で転送され、何時間も待たされることはありません。データ転送時間が短縮されることで、より円滑に業務を進めることができます。FEMZIP-NはOP2データフォーマットのMSC NastranおよびRADIOSSのシミュレーション結果データの圧縮が可能です。

NASTRAN OP2ファイルのテスト結果：節点数1428719の車両モデル, ソリューションタイプ103, 51モード

RADIOSS OP2ファイルのテスト結果：節点数1026074の車両モデル, ソリューションタイプ101, 29モード

 FEMZIP-Nは標準サイズのモデルデータでも高効率な圧縮をしますが、数百または数千のモードの結果ファイルでは、さらに能力を発揮します。結果ファイルの中には、1/40のサイズにまで圧縮できるものもあります。

 サポートするポストプロセッサ

　・GNS Animator
　・Beta μETA