ATD-THOR Dummy Models
自動車安全性CAE解析用高精度FEダミーモデル
THORとは前面衝突用のダミーのことで、「Test Device for Human Occupant Restraint」の頭字語です。 ATD-THOR50M(US)およびATD-THOR50M(EU)は、THOR 50%ile 成人男性衝突安全性能試験用ダミー人形に基づいたFEモデルで、50%ile成人男性ダミーを代表する最先端の前面衝突モデルです。THORは、標準的なHybrid III 50%ile 成人男性ダミーと比較して、人体忠実性が向上し、測定方法が大幅に拡充されています。
THOR 50%ileは、高度に開発された前面衝突ダミー分野における最新モデルであり、US NCAPおよびEuro NCAP等の乗員保護性能試験で使用されています。
私たちは2019年に独ATD-MODELS社よりATD THORダミーモデルおよび有限要素(FE)インパクタ―モデルを北米および日本でマーケティング、販売、サポートする権利を取得しています。
現在、以下のTHOR 50%ile 成人男性ダミー SBL-B 仕様モデルを取り扱っています。:
ATD-THOR50M(US) : US NCAPおよびC-NCAPに準拠したThor-LX 下肢部を使用
ATD-THOR50RS : 骨盤/腹部の改良が施されたリクライニングシート仕様
ATD-THOR50M(EU) : Euro NCAPに準拠したHIII下肢部を使用
New ATD-TH50 C-NCAP : C-NCAPの新要件に準拠
ATDダミーシリーズの特徴 :
・物理ベースのモデリング手法による高い精度
・すべてのモデルが業界標準の陽解法FEコードAbaqus、LS-DYNA、PAM-CRASHで使用可能
・全ダミーモデルに共通のモデリング標準
・すべてのダミーモデルに共通のモデリング標準
・統一されたメッシュサイズ、ラベル名、ナンバリングシステム
・前処理と後処理を容易に自動化
・共通の手順で取り扱いが可能
・各ソルバのコード固有の機能を最大限に活用
利点 :
・アセンブリグループ固有の体系的なタイトル規則
・出力波形はタイトル文字によって容易に識別が可能
・アセンブリグループ番号が重複あるいは競合しない記数法
・前処理と後処理における優位性
・アセンブリパーツとグループの選択が容易
・各アセンブリグループは個別に定義
・定義された各アセンブリグループ
・マスタ参照定義 (ex.アセンブリグループを参照してコンタクトを定義)
*記載されている製品の名称は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。
ATD-MODELS THOR50M Dummy Model US仕様モデル / 50th Percentile Male ATD- US version
FEモデルATD-THOR50M(US)は、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の図面に基づいて開発されました。ATD-Hybrid Ⅲ Dummy Modelsの開発と機能強化の経験から得たノウハウが組み込まれているため、ATD-Hybrid Ⅲ Dummy Modelsのユーザーは、使い慣れたモデル構造とシステムを即座に認識し、容易にATD-THOR50M (US)を使用することができます。
ATD-THOR50M(US)の特徴は次のとおりです:
・ISO-MMEに準拠した信号指定
・ATD- Hybrid Ⅲ Dummy Modelsに類似した使い慣れたモデル構造のため取扱いが容易
・ジオメトリのマッピングが正確で構造の理解が容易
適用 :
・今後導入されるUS NCAPオブリーク(斜め)衝突試験を対象
ATD-MODELS THOR50M Dummy Model EU仕様モデル / 50th Percentile Male ATD with Hybrid-III legs - European version
ATD-THOR50M EU仕様はATD-THOR50M US仕様をベースにしています。下肢部にはThor-LXではなく、ATD-H350(Hybrid III 50%ile)の脚が取り付けられています。
ATD-THOR50M(EU)の特徴は次のとおりです:
・ATD-H350の下肢部
・ATD-H350の膝スライダー
・ATD- Hybrid Ⅲ Dummy Modelsと同じ使用方法
適用 :
・EuroNCAP
- MPDB
・C-NCAP
- MPDB (2022年1月以降)
・A-NCAP
- MPDB
ATD-MODELS THOR50M Dummy Model リクライニングシーティング / 50th Percentile Male ATD - Reclined Seating
ATD-THOR50RSはATD-THOR50M US仕様をベースに骨盤・腹部を改良したモデルです。自動運転車に期待されるリクライニング姿勢での使いやすさを向上させるための変更が加えられています。THOR50Mのハードウェアは、NHTSAが資金提供した共同プロジェクトにより、英Cellbond社と米バージニア大学(UVa)が設計しました。詳細については、こちらをクリックしてご確認ください。
ATD-THOR50RSの特徴は次のとおりです:
・骨盤-大腿部の境界面の肉の形状変更
・単一部品で構成される腹部構造を導入
・脊椎に3つ目のラバージョイント構造部を追加
・ATD- Hybrid Ⅲ Dummy Modelsと同じ使用方法
・ISO-MMEに準拠した信号指定
適用 :
・自動運転車/無人運転車の乗員安全性評価に関する研究
ATD-MODELS THOR50M C-NCAP
2025年、中国新車アセスメントプログラムは、アクティブおよびパッシブな通常の乗車姿勢とは異なる姿勢の乗員保護の新たな仮想評価を実施します。そのため、中国自動車技術研究センター(CATARC)は、有限要素(FE)ダミーモデルTHOR 50 %の新たな検証要件を定め、仮想前面衝突試験におけるブレーキングフェーズの評価も考慮に入れました。必要なダミー検証認証に準拠するため、ATD-MODELS社は新しいC-NCAPバージョンを開発しました。
ATD-TH50 C-NCAPは、ATD-THOR50M US仕様をベースにしています。このFEモデルには、前面衝突のブレーキングフェーズによって引き起こされる頭部エクスカーションに関するバイオフィデリティ基準を満たすための変更が加えられています。
適用 :
・2025年版 C-NCAP (アクティブおよびパッシブな通常の乗車姿勢とは異なる姿勢の乗員保護の仮想評価プロトコル)
ATD-MODELS THOR05F Dummy Model / 05th Percentile Female ATD
ATD-TH05Fは、現行のNHTSA図面に基づき、ATD-MODELSダミー製品の既存の構造を使用してセットアップされています。前面衝突試験用に設計された新しい高度な衝突実験用人体ダミー(ATD)で、5%ileの小柄な女性の人体形状を表現しています。前面衝突の安全性評価において、ATD-H305の代替候補として位置づけられています。
このFEダミーモデルは、ATD-H305と比較して生体忠実度と傷害測定能力が大幅に向上しています。ATD-THOR05Fは、ハードウェアの開発元であるCellbondとの緊密な連携により開発されました。
適用 :
・乗員安全性評価に関する研究
独ATD-MODELS社は、車両安全性解析用高品質FEモデル開発のスペシャリストで、2009年にダミー開発と乗員安全シミュレーションの長年の経験を持つエキスパートにより設立されました。ドイツをはじめとする世界各国の自動車業界パートナー企業と緊密に連携し、非常に正確なFEモデルを開発しています。同社のFEモデルは、乗員保護および歩行者保護の技術計算を行う仮想開発プロセスで使用されています。