CDH/VAO
振動と音響解析の設計最適化環境
CDH/VAOは、大規模構造の動的解析用の直感的でインタラクティブなコンピュータエンジニアリングツールで、バーチャル製品開発プロセスに携わるエンジニアが、設計開発部門やテスト部門の問題に対し、信頼性の高いソリューションを迅速に提供することを可能にします。 ユーザーは設計変更の提案における構造的な影響を即座に検討することができ、また、設計変更を自動的に予測し、構造システムの最適な動的挙動を導き出すことも可能です。AMC法(アダプティブモーダルコリレーション法)を採用することにより、従来のモーダル解析法と比較して計算量を1/25から1/120削減できることが実証されています。

標準Nastranまたは PERMAS の有限要素モデル、ベースライン構造用に計算した固有値および固有ベクトルを使用し、幅広い構造動的解析を実行します。構造物が音響と連成している場合は、音響固有値を使用して連成システムの適切な方程式をアセンブルします。CDH/VAO では、MATLABで利用可能な最先端の数値ソルバーアルゴリズムを使用します。
FEM モデルと結果データを読み込み、インタラクティブにモデルの定義と修正を行うことで、材料や設計変更の影響を検討できます。
モデル定義:
- 音響特性
- 加振(調和、強制)
- 減衰(減衰なし、構造減衰、粘性減衰)
- サブモデル

サブモデルの特性の定義と変更:
- 材料特性
- 厚さ
- 密度、ヤング率、非構造質量、ねじり剛性
- 構造減衰-吸音
in-situ 技術を使用したサブモデルのジオメトリ変更:
- VAO Viewer でスエージ、ビード、穴などをインタラクティブに作成、変更
- FEMプリプロセッサから新たなFEM形状設計をサブモデルとしてインポート
- プレート変更による局所的剛性の変化がNVH性能に与えるおおよその影響を素早く判断
- 局所的なジオメトリ変更後のモード計算は省略可

CDH/VAOは、計算技術者が車両構造の音響と振動の性能を検討および最適化を行うためのCDH独自のプラットフォームです。これまでは複数の商用ソフトウェアソリューションを必要とした、様々な解析機能と最適化機能を兼ね備えています。豊富な解析機能を持ち、そのうえ、変更後の再解析結果を即座に得られることは、インタラクティブな計算技術の新しい次元であると言えます。
CDH/VAO では、以下のような幅広い解析が可能です:
AMC法を用いた高速周波数応答解析
エネルギー解析:
- 複素歪みエネルギーと運動エネルギーの解析
- 等価放射パワー(ERP)
音響解析:
- 音響パネル寄与解析
- 聴覚および触覚応答

過渡解析:
- ダイレクトな高速フーリエ変換(FFT)解析
- 非線形要素のサポート(例:ショックアブソーバー)
- Nastran TLOADカードのインポート (時間領域)
- フルシステムの高速再解析のため、他の全CDH/VAO解析機能と過渡解析の組み合わせ
CDH/VAO は多くの強力な機能によって不確実性を持つ構造を解析し、確率的パラダイムをサポートします。確率的シミュレーションは、不確実性を持つ設計パラメータが重要となる設計問題に対するロバスト解を得るため、自動車業界における使用がますます増えています。CDH/VAOの動的解析は、製造のばらつきや素材および部品の変化を考慮することができ、性能予測を向上させることが可能です。

CDH/VAOは最先端の確率解析機能でお客様をサポートします:
- 確率論的/可能性 解析
- 一様分布、ガウス分布、またはユーザ指定の分布を使ったモンテカルロ解析
- 一次変動法 (FOVM)
- ロバストG関数を含む 一次信頼性法 (FORM)
- 確率的最適化
設計最適化では、数値アルゴリズムを使用して、構造全体の質量などの制約を維持しながら、最適な構造応答を実現します。CDH/VAOは、構造サブモデルのパラメータに関連する設計変数を性能目標とともに定義し、その設計変数を最適化アルゴリズムにおいて自動的に調整して、目標値を達成します。CDH/VAO独自の機能により、ユーザーは、特定の確率諸量を変数として定義することも可能です。これらの変数を目的関数の作成に使用し、品質コストと性能のトレードオフを検討することができます。

CDH/VAOは以下の数値最適化アルゴリズムをサポートしています:
- Mean法による設計最適化
- BETA法によるロバスト解析のための確率的最適化
CDH/VAOの高性能でインタラクティブなポストプロセッサ機能により、解析結果の高品質なグラフィック出力が可能です。さらに、グラフィックスフォーマットは、レポートやプレゼンテーションで利用することができます。すべてのx-yプロット出力は、ズームやリサイズなどの使い慣れたMATLABプロット機能を使用して操作できます。

ポストプロセッシング機能:
- バーチャル SAE ツール
- 構造と音響のモード寄与率
- 構造と音響のモードシェイプ
- 減衰の実稼働シェイプ
- FRF 結果の XY-プロット
- RMSコンター
- ASCII フォーマットにエクスポート
- ユニバーサルファイル変換サポート
- 音響のパネル寄与率
- GNS Animator4、T-Systems MEDINA等のプリプロセッサおよびポストプロセッサへの出力
CAEプロセスの作業と効率性を評価するベンチマーク例:
タスク:新しいスエージ加工に合うようにボディフロアを修正し、NVH性能を再評価
OS:
・Linux 64bit
・Windows 64bit
ソフトウェア:
・MathWorks MATLAB 2013a